帝国の最期



去年飼育していたムネアカオオアリについて触れねばならないでしょう。
10月頃、全滅しました…。
2011年は結局1匹も働きアリが羽化せず、9月頃から働きアリが次々と死亡。働きアリの寿命は1年程度と言われているのでこれはおそらく寿命と思われます。
娘達が全滅した後、女王は「もはやこれまで」と言った感じで3日後に死亡…。一番体力があるはずなのに不思議なものです。

そもそも産卵数が少なく、幼虫は蛹まで成長したものもあったのに死んだのか食べられたのか…。
高温、乾燥、タンパク質不足…? 思い当たる原因は色々ありますが、はっきりしません。
乾いた環境を好む癖に結構水を飲むし、新鮮な肉を求めるのにエサ場に出歩く働きアリの数が少なく見つける前にエサが腐敗してしまう等、なかなか難しい。
特に後者は飼育下より自然ではさらに厳しいんじゃないでしょうか。
毎年たくさんの女王アリが巣立つのにアリの巣が増えているように見えない事実は、自然界でも新しいコロニーが生き残る事はほとんど出来ない事を示しています。

そして今年も新女王が新天地を求めて飛び立つ季節がやってきました。
ムネアカオオアリは平地より涼しい森や山の中に棲み、飼育はちょっと難しいのかなと思って、今年はポピュラーな大型アリ、クロオオアリを飼おうとしていました。
ところが農作業中に目の前にぽとりと落ちてきた女王アリはまたしてもムネアカオオアリ…。しかも2匹。個体総数は圧倒的にクロオオアリが多いはずなのに、なんか縁があるのかも知れません。
そんな訳で今年もムネアカオオアリに挑戦します。


エリザベスと名付けました。
去年入ってくれなかった巣箱に入りました。しかし産卵数少なく、幼虫の成長も極めて遅い。
初期にはあんまり育児に集中してない感じが…(今は結構気を使ってる感じ)


こちらはメアリーと命名。
去年の初期巣を少し改造して、石膏の上にピートを敷き詰めました。
エリザベスと比べて順調そのもの。もう繭が5〜6個見えますね。
この差は個体差によるものなのか、環境の差なのか。
少なくともピートは悪影響をもたらしてはいないと思われます。
ゆきのゆきかぜ | アリ飼育 | 13:26 | comments(3) | trackbacks(0) | - | - |

グルメ・アリ

 

アリは何故か短期間に引っ越しを繰り返しています。一体何が気に入らないのか・・・。湿度が低いところに移動しているような気配がありますが。
初期の巣であるピートを盛った巣箱が多分一番お気に入りなんだろうけど、ピートを掘っても広さには限界があるし、落盤が起こるのでそのたびに引っ越ししてるんじゃないかなと思います。
で、修復したら戻ると。あんまりよい傾向ではありませんね・・・。

観察しやすいパイプ内にいるときに蛹の入った繭を発見しました(写真には写っていない)
繭の視認は昨年8月末以来です。大きく育った終齢幼虫も確認できるのでずっと停滞してた働きアリの数がようやく増加に転じそう。
しかし繭の大きさは小さい…タンパク質不足と思われます。

このコロニーの弱点は外勤アリの不足。
こいつらは意外とグルメというか、新鮮なタンパク質しか摂取しないので、そのエサを用意した時と外勤アリがエサの捜索に出てくる時がなかなか一致しないのです。
冷凍赤虫は解凍するとすぐに腐敗と乾燥が始まるし、解凍直後は水っぽすぎて好みではないらしい。
昆虫の幼虫(イモムシ)は栄養価も高く理想的なエサなのですが、死ぬとものすごく腐敗が早い。
かといって元気だと外勤アリ1匹ぐらいだと仕留められない事が多く、また解体にはかなりの数のアリがいないと無理っぽい。
最近になってガガンボを捕獲して冷凍庫に入れて殺し、それを与える(蚊の類はなかなか食いつきと持ちがよい)という解決策を得ました。
働きアリの大きさは小さくても数が増えればエサ場をうろつく外勤アリが増えるので、タンパク質のロスも減るのではと期待です。

生物以外からのタンパク質補給をもくろんで、プロテイン配合の高価な昆虫ゼリーを買ってきて与えてみたところですが、なんか食べてる気配がないんですよね…。
自然のアリを観察すると見つけたエサはなんでも運んでるように見えるけど、実はグルメな奴らだったのね・・・。
ゆきのゆきかぜ | アリ飼育 | 02:57 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

アリのハンティング



生きた何かの幼虫を与えてみました。
元気な幼虫には手が出ないというか、触覚が触った瞬間に幼虫が激しく動き、びっくりして逃げてしまう。
そこで適度に弱らせてやると急に強気になって襲い始めましたw

アリはハチの仲間で大部分の種で毒を持っています。ハチのように針で刺すアリもいますが、ムネアカオオアリは針を持ちません。
そこで蟻酸という毒液を尾部から噴射して獲物を弱らせる手段を執ります。
結構効いているようですが、どうも噴射したアリ自身も多少ダメージをうけているような…。
格闘すること20分弱。ようやく巣に引き込めるほどに弱らせて勝負あり。
外勤アリが1匹しかいないので相当弱ってるか死んだ昆虫しか無理ですね。



アリの幼虫の成長は相変わらず遅い。成虫に食べられている懸念が拭えません。
糖蜜系の餌は切らしていないので足りないのはタンパク系の餌なんだろうか…。
冷凍赤虫は2日に一度ほどですが、食べないことも多い。小さなガは2〜3日に一度。ただ食べる場所があまりないみたいで、比較的原形を留めた死骸がゴミとして捨てられています。
イモムシ系の幼虫は今回跡形もなく食べてしまったので、要求している虫餌はこちらなのかも知れませんね。
ゆきのゆきかぜ | アリ飼育 | 22:44 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

アリ飼育のススメ



女王アリ捕獲シーズンがやってきました!
ムネアカオオアリの女王を捕獲して約1年。今まで色んな生き物を飼育してきましたがアリが一番面白いです。
アリが人間と同じ社会性を持つ生き物だから、感情移入してしまうんでしょうね。
人間から見てアリは知能や感情を持っているように見えることがありますが、実際は本能という名のプログラムに従って動いているだけです。
それでもアリの高度な社会性には驚かされるばかり。すこしアリの社会を紹介しましょう。

まず全ての始まりは女王アリ。
新しい女王アリ(羽根付き)は初夏から秋にかけて結婚飛行を行います。時期はアリの種類によってまちまち。今ならちょうどクロオオアリがシーズンですね。
その地域の同じ種類の女王アリとオスアリはある時、一斉に空に飛び立ち、空中で交尾します。
その時とは蒸し暑い風のない日の昼〜夕方で、このように条件を限定的にすることで他の種類のアリとの交雑を防ぐためであると言われていますが、どうでしょう…?
無事交尾を終えた(結婚飛行は鳥たちにとって絶好の捕食チャンス)女王アリは地上におり、穴に潜って羽根を落とした後、最初の産卵を行います。ちなみにオスアリは交尾後ほどなく死亡。
そうして最初の働きアリが産まれるまでの約1ヶ月半、飲まず食わずで幼虫を育て上げます。
羽根を駆動していた筋肉を分解して幼虫に与えてるのだとか…。
働きアリが増えると後は産卵に専念し、群れの運営は働きアリに任せます。
働きアリは協力し合って餌を集め、子供を育て、敵と戦い(他の巣のアリだ)、最終的に数千、数万匹の帝国を築き上げるのです。女王アリの寿命は10〜20年以上で、それが巣の寿命となります。
しかしそこまで巣を発展させられる女王アリはごくわずか。比較的安全と思われる飼育下でもなかなか難しいようです。

働きアリを捕獲しても飼育できますが、彼女ら(全部メスである)の寿命は2年もなく、またやる気の源は子孫繁栄にあるので、卵・幼虫。蛹がいないと活力がありません。
アリの本当の姿を見るにはやはり女王を飼育する事から始めなければ。
巣から掘り出すのはあまり現実的ではないので、結婚飛行の交尾後の個体を探します。
女王アリは上記の気象条件下で地面を見ながら歩けば、比較的容易に発見することが出来るでしょう。
近くに目的のアリの巣があることを事前に確認しておけばなお容易です。私の場合は探し始めてほんの数分でした。
羽根の付いた非常に大きなアリなのですぐに判ります(羽根はすでに落としている場合もある)
オスアリも羽根が付いてるので紛らわしいですが、腹部や胸部が小さいので事前に写真で確認しておけば間違えることはないでしょう。

女王アリを捕獲したら、小さな小さな空間を用意して産卵場所を提供しましょう。
産卵スペースは女王の大きさの2倍、高さにして1.5〜2倍くらい。広すぎると巣として認識しません。
土を入れて好きな大きさに掘らせるのが一番良いのですが、観察に支障を来すデメリットがあります。
後は湿度さえ適度に保ってやれば最初の働きアリが誕生するまで何も餌を与える必要はありません。
糖分やタンパク質など与えれば女王は食べますが、自然界同様にしてやるのが一番良いように思えます。
働きアリが数匹に増えると巣から出てきて餌を探し始めますので、餌場を用意しなくてはいけません。
そのため、女王の飼育ケースにはあらかじめ餌場、そして大きな巣箱を増設できるような拡張性を持たせておくことが肝要です(ビニールパイプで各ケースをつなげられるようにするのがよい)
その辺の飼育容器設計は飼育者の腕の見せ所であり、醍醐味の一つでありましょう。
巣箱もアリに自由に巣穴を掘らせる方式でも良いし、観察性を重視してあらかじめ巣穴を区分した容器を自作するも良し。
いずれにせよ長期飼育すると汚れてくるので、掃除できたり、巣箱ごと交換できるようにする必要があります。

アリの餌は、まず活動エネルギーである糖分。自然界では樹液やアリマキ(アブラムシ)の出す甘い汁を食べています。
飼育下ではメープルシロップや蜂蜜などでよいでしょう。バナナやパイナップル等、果物もいいようです。
幼虫の成長にはタンパク質。自然界では虫の死骸です(生きた虫を狩ることもある)
実際に虫を捕ってきて与えるも良し、煮干しなんかで代用する手もあります。
私は熱帯魚の餌である冷凍赤虫をよく与えております。
キチン質やアミノ酸、ビタミンなど様々な栄養素が必要らしく、それらをバランスよく与える必要がありますね。

アリは餌を群れすべてに平等に分配します。腹部にはそ嚢という貯蔵用の袋があり、まずはそこに餌を溜め、餌を欲しがる仲間や幼虫に吐き戻して口移しで与えます。
人間から見ると愛情一杯に見える行動ですね。



フェロモンという匂い物質で仲間を判別してるだけなので、フェロモンに何か異常を感じるとさっきまで仲間だった者を敵と認識して平気で殺してしまうんですけどね…。

子供達には格段の愛情(と見える行動)を注ぎ、付きっきりで面倒を見ているアリがいるし、危険を察知すると真っ先に幼虫や蛹のもとに大勢が集まり、安全と思っている場所に移動させます。
全ての親である女王も非常に大切にされていますが、女王が群れに何か指令を出してる様子は特に感じられません。
むしろ女王の移動に関しては働きアリが女王を無理矢理引っ張っていく場面も…。
互いの身体を頻繁に身繕いをしあったり、アリが非常にきめ細かな生き物である事が飼育すると理解出来ます。

みなさんもアリの飼育はいかがでしょうか。
飼うとしたら小型のアリの方が成長が早く良く殖えますが、ちょっとした隙間から脱走(アリたちにとっては巣に戻るのだからこの言い方は失礼だ)するので
大型のアリ(クロオオアリ、ムネアカオオアリ等)が管理しやすくて良いと思います。
異種アリを同じケースで飼うことはできないですよ。殺し合いますので。
同じ種類の複数女王アリを同一ケースで飼うのもやめた方が良いです。種類によってはいけるんですけど…。
ウチはクロオオアリ用ケースは去年無駄になったのがあるんだけど、ムネアカオオアリで手一杯なので今年は新規捕獲は控えます。
ゆきのゆきかぜ | アリ飼育 | 04:11 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

たまごたくさん



ムネアカオオアリは1ヶ月半で卵から成虫になります。卵を産んだ時期から考えて本来ならば幼虫はかなり大きくなっていなければいけないはずです。
ところが大きな幼虫の姿が見あたらない。写真にあるように卵は増えたのですが…うーん、食べられてしまっているんだろうか…。
この春は気温が低いのでその影響で成長が遅れていると思いたいです。

さて、見向きもされなかった新しい巣箱ですが、ここに来て働き蟻が出入りした形跡がありました。
もっぱらゴミ捨て場として利用しているようですが…巣としての認識はあるという証拠なので今後の移住の可能性はあると思います。
しかし今は外勤のアリが1匹きりなのでなかなか大きな動きには繋がらないのが実情。
アリって全体の行動は割と多数決っぽく決めてる感じなのです。

外を出歩いて捜索・食糧確保するアリは全体の最大一割。今は働き蟻総数10匹なので外勤は1匹。
内勤のアリは何をしているかというと、女王や卵や幼虫の世話をしていたり、餌を腹部に溜め込んで貯蔵タンクの役割を果たしていたり、何もしていなかったり。
何もしないアリを「ニートアリ」と言う人がありますが、実態は予備兵力であると思われます。
外勤というのはかなりの危険を伴うので(例えば外出中に大雨に降られた場合ほとんどが帰ってこないことが考えられる)外勤用アリ的資源を常に確保する備えでしょう。

ゆきのゆきかぜ | アリ飼育 | 18:23 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

幼虫さん?

 

孵化した・・・かな?
去年はあんまり食いつかなかった小型の蛾を今年はむしゃむしゃ食べてます。
女王のお腹もパンパン。

それにしても埃が乗っかっていて見栄えが悪いですね。
しかし刺激を与えたくないので掃除も出来ない。はやく巣箱の方に引っ越してくれないかなぁ・・・。
ゆきのゆきかぜ | アリ飼育 | 20:30 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

2年目の産卵



ムネアカオオアリの女王が産卵しました。数は3個ほど。
タンパク質の餌を摂り始めてから大体10日ほど経ってからですかね。
昨年は30個以上産みましたが、9月末の時点で羽化に至らなかった幼虫や蛹は全部育児放棄、もしくは食べられてしまいました。 
2年目は順調なら100個近く産むそうです。

卵から成虫になるまで約1ヶ月半。今年は何処まで増やせるかな。
相変わらず新巣箱には見向きもしません。
ゆきのゆきかぜ | アリ飼育 | 03:05 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

ムネアカオオアリ活動開始



 去年から飼育しているムネアカオオアリです。
アリの活動期間は短く、10月には冬眠に入ってしまいます。
冬眠中は餌も水も採らずじっとしています。
それでも加湿だけは続けなくては枯死してしまうためにアリ飼育のモチベーション的に厳しいシーズンですね。
4月に入り、ようやく活動を開始。
20数匹生まれた働き蟻は様々な要因で10匹にまで減ってしまいました。
今年はどれだけ増やすことが出来るかなぁ。

この部屋は熱帯魚も飼育しているために幾ら寒くても最高18度、最低8度の温度内にあったのですがアリは冬眠を続けていました。
このことからアリは冬眠から目覚めるきっかけを温度変化に依っていないのでは、と感じました(平均気温を測っている可能性もある)
体内時計によって冬の長さを測っているのだとすれば、地域によって冬の長さは違うのでアリを南方や北方に移動させた場合、冬眠時期はずれると考えられ、上記仮説の証明実験となるでしょう。

去年、大金(4500円)をかけて制作した大きな巣箱にはアリは全く興味を示してくれませんでした。
写真のように餌場と巣箱を接続するパイプに住み着く有様。
巣箱には自然界の営巣場所である朽ち木のくずを詰めてアリが自由に巣を掘れるようにしたのですが、こいつらは出来合いの空間を好むのかも知れません(ピートで穴を塞いだり、天井を作ったりはするんですが)
そこで冬眠からの目覚めに合わせて新たに制作したのがコレです。



大きさは30cm四方。白いのは保湿用の石膏で注射器で穴から水を注入します。
接続したところ早速斥候アリが探索に来ましたが、やはり接続パイプまでで巣箱には入らない。なんでだー。
パイプをまた巣の空間として気に入ったようですが、仲間に知らせに行くのではなくて、入り口や内部に匂いをつけて仲間のアリが気づいてくれるまでずっと待っているんですねー。
ミツバチは新しい巣の場所を仲間に知らせる方法(ダンス)をもっていますが、アリにはないのでしょうね。
とりあえず仲間には気づいてもらえず、半日以上パイプ内をうろうろした後に巣に帰っていきました。

ゆきのゆきかぜ | アリ飼育 | 11:43 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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